板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「知識とリスクヘッジ」

先日のNHKスペシャルで、
「コンピュータによる自走オフロードカーのレース」
が取り上げられていました。
見事優勝したある大学の手による自走オフロードカーの特徴は、
他のどの車より「遠くまで走るべき場所を認識することが出来る」
というものでした。
遠くまで安全な道を認識することが出来れば、
走行速度を高速にできるというわけです。

30メートル先まで認識できる車より、
100メートル先まで認識できる車のほうが、高速で走れる。
同じ速度で走る場合でも、
30メートル先まで認識できる車より、
100メートル先まで認識できる車のほうが、
より安全に走れる。

つまり、
「知識」が、速度と安全のどちらにおいても優位性になりうるわけです。
知識によって、行動の選択肢が増え、結果としてリスクヘッジになるわけです。

これ、我々の社会活動においても、同様ですよね。
ただし、上記のオフロードカーと、我々の社会には大きな違いもあります。
オフロードカーがどこを走ろうが、
まだ走っていない場所に変化は生じませんが、
私たちの社会の場合、
今何をするか、によって、これから走る未来に変化が生じます。

今どうなっているのか?
このままなら、未来はどうなるのか?
今何を行えば、未来はどのように変化するのか?
これらはすべて、知識無しには認識することが出来ません。
私たちが社会活動をすることは、
オフロードを走ることより多くの知識と想像力を必要とします。

ただがむしゃらに仕事をすれば、自分や社会が良くなる、
というものではありません。
良かれ、と思っていても、それが自身や社会にとって、
本当に良いことかどうかの判断は、
知識と想像力の範囲に限定されてしまいます。

早く走るためにも、安全に走るためにも、
そして、今の言動がどのような影響を未来に与えるかを知るためにも、
知識と想像力の「拡大」が必要です。

知識に対する時間や金の投資を惜しむことは、
社会的動物=人間、を放棄することに他ならないと思います。
知識こそ、自分自身と自分の暮らす社会を豊かにする道具です。

2006年7月18日 板倉雄一郎

PS:
学校教育のおかげか、学習=つまらないこと、になってしまっているんですよね。
本当は、知識を習得すること自体が楽しいことなのにね。

今のハッピーは、過去の努力から来ているし、
今の努力は、未来のハッピーなのにね。
ろくに努力もせず、成功した他人を妬んでばかりいる人が多いよね。
そういう人に限って、「今のハッピー」を「今追い求めている」のよね。
それじゃ無理だっつーの。
で、ハッピーじゃない原因が、社会にあると思っていたりするのよね。
一生そのままで本当によいのでしょうかね?

PS^2:
夏休み前なので、ドンドン書いています(笑)





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