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ITAKURASTYLE「コストコ ホールセール」


コストコ幕張店に行ってきた。
この会社、ウォーレンバフェット氏に次ぐバークシャーハサウェイのナンバー2:チャーリーマンガー氏が大株主だったりする。
4200円の会費を払い会員にならなければならないが、「見るだけ」なら会員にならなくてもOKだろうと勝手に思い込み、冷やかしのつもりで行った。
すると、店内に入るだけでも、会員にならなければならないという。
仕方なく4200円と身分証明書を差し出し、必要事項を申込書に書き込み、ウェブカメラで顔写真を撮られ、会員証を作った。
なんてあこぎな商売だろう???と思ったが、この会費、いつでも返金してくれるそうだ。
もちろん、返金と同時に会員資格は失うわけだが、極端な話、会員になり、商品を購入し、その直後に返金&会員離脱も可能というわけだから、決してあこぎな商売ではない。
<学習(1)>
このような、「顧客からの資金調達」には、少なくとも「直接的な」資本コストは不要だから、顧客さえ納得するなら悪くない資金調達方法ではあります。
しかしながら、顧客は「資金提供する引き換えの価値(=たとえば、商品が安いとか)」を求めるから、結局のところ、間接的な資本コストが発生します。
よって、同社の資本調達コスト「だけ」に着目すれば・・・
多くの商品を購入する消費者の場合、消費者の勝ち=コストコの負け
さほど商品を購入しない消費者の場合、消費者の負け=コストコの勝ち
ただし、資本コストだけではなく、商品の「マージン」まで考慮すると、
多くの商品を購入する消費の場合、消費者の勝ち=コストコの勝ち
となります。
つまり、いずれの場合も、コストコは勝ちですね(笑)
要するに「米国版生協」。

店舗への入り口では、しっかり会員証をチェックされる。
馬鹿でかいカートを押しながら店内に入ると、それはそれは、
1、天井が高い(おそらく6メートル以上はある)
2、天井まで商品が積み上げられている(高いところは、ダンボールのまんま)
3、あらゆる商品がでかい
(僕が料理でよく使うエクストラバージンオリーブオイルを買ったが、1瓶2リットル!)
4、あらゆる商品の売買単位がでかい
(上記オイルは、2瓶で1パック!=いきなり4リットルもオリーブオイルを買ってしまった(笑))
5 、まあまあ安い(上記のオイルの価格は2瓶1パックで3,378円。この地域には、他にも「スーパービバホーム」、「ケーヨーディーツー」、「カルフール」などなど、競合ディスカウントストアが結構あるので、同じような商品価格を比較すると、コストコが『ものすごく安い』わけではないが、大量に買う分には安い。)
6、30代の奥様多数(奥様はお友達と一緒に、コストコツアーをするらしい)
7、外国人(白人)が多い(地元を思い出すのだろうか、冷蔵庫が大きいのだろうか)
8、一方通行で、元に戻れない(1フロア内は行き来自由だが、一旦別のフロアに行くと、元のフロアには戻れない。)
9、食材が豊富(飲食店の食材調達にはうってつけではないだろうか・・・だからよって、会費3,675円のビジネスメンバーなる制度もある。)
そして、最も印象的だったのが、「食材がうまい!」
この日、僕は、中食材として、「インディアンプレート」と、「オーストラリア ラム フレンチラック」、「プルゴギポーク」を買ったが、3種類のカレーと3枚のナン、そしてオマケ程度のタンドリーチキンのインディアンプレートは、ちょっとしたインドカレー人気店より「断然」うまかった。
価格は1,029円! 大人二人で十分な量。
ラムは、早速、オリーブオイルと赤ワインで1時間ほどマリネした後、フツーに焼いて食べたが、こちらも絶妙な味。価格は、ラムスティック9本で1,807円。
(最近、ラムの「臭さ」が病みつきになっている・・・けれどマトンは臭すぎて嫌)
これらの「中食」材は、それなりに小分けされ売られているからよいが、いわゆる食素材は買うのに躊躇する。
「ハラペーニョ」の缶詰・・・1缶380gで1パック6缶!価格978円!
確かに安い。そして僕はハラペーニョが大好き。けれど、メキシコ人でもこれを消費するには1ヶ月はかかるんじゃないだろうか(笑) あれから毎日、食事のたびに脳天から汗が噴出している毎日。
「ドライポルチーニ」・・・200g!・・・直径10cm高さ30cmほどの円錐の入れ物にドライポルチーニがぎっしり! 価格1680円!と激安。けれど、そんなに食べきれない(笑)
とにかく、食材は安くておいしい。けれど量が多い。
大きな冷蔵庫と4人以上の家族なら、週に一度の買い物でバリューな消費者になれるでしょう。
外国産の商品ばかりがでかいわけではない。
「ライオン キレイキレイ泡」の詰め替え用も、なんと2リットル!価格1,798円。
たっくさん手を洗わないと(笑)
とまれ、このまま書き続けると、レシートすべてを書かなくてはならなくなり、個人情報垂れ流しになるので、この辺で買い物リストは止めます。
どんな商品が、どれほどの価格で、「どれほどの売買単位で」売っているかは、店舗に行くなり、同社のウェブサイトを見るなりしてください。
<学習(2)>
結局のところ、消費の早い「食材」が顧客の継続的な購買につながるわけですから、食材がおいしいということは、めったに買わない商品が飛びぬけて安いことより、遥かに重要なことですね。
<学習(3)>
ビジネスとして面白かった(というより当たり前なこと)は、
1、支払いにクレジットカードが使えるが、「アメリカンエクスプレス」
2、洗剤などにP&Gの商品が多い。
さて、そのビジネス的な理由はナンでしょうか?









す。
これはカンタンですね。
バークシャーハサウェイ社の傘下企業の商品が並んでいるってわけです。
さすが、ドケチのチャーリーマンガー氏(笑)

会計では、アメリカのスーパーでよく見かける「ベルトコンベア」に自ら品物を載せ、仕切り棒で前後の客の品物と区別する仕組み。
会計のときにも、しっかり会員証の提示を求められる。
ビニール袋は、「当然」無いが、希望すれば、ダンボール箱(ただし、コストコに納品された品物のダンボールなので、大きさカタチはまちまち)をいただける。
会計を済ませ、駐車場へ向かうエスカレーターのまえで、警備員がレシートとカートの中身を照合する、ような事をする。
すべての商品とレシートを照らし合わせることなど不可能だと思うが、この手続きは万引き抑制にはなるだろう。
<学習(4)>
万引きによる経済損失より、警備員の人件費の方が小さいというわけだ。

結論:
1、チャーリーマンガーは賢い(笑)
2、BBQなど大人数の食材調達にはうってつけ。
3、大家族&大きな冷蔵庫をお持ちなら、是非コストコで食材調達を。
4、賞味期限の長いモノは、一人暮らしでもコストコへ。
そして、重要な注意点は・・・
<学習(5)>
「安く大量に買うと、ついつい無駄に使ってしまう!」
あれからタコスだの、メキシカンサラダだの、ピザだのと、ハラペーニョの消費のための食事が多くなったような気がする。
炒め物に使うオリーブオイルの量が多くなったような気がする。
それじゃ、安く買っても意味ないじゃぁ?ん!
皆さんご注意ください。
以上、コストコホールセール体験記でした。
お粗末さまでした。
2007年6月1日 板倉雄一郎
PS:
株主総会月ですね。
楽しみですね。
今日の朝食も、コストコで買った日本ハムディナーポークウィンナーのハラペーニョ乗せ。
頭の毛穴から気持ちいい汗が(笑)





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