板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「カネ・金・カブ・株・○億円儲ける」

昨日(2005年12月14日)、NHKによる「証人喚問」の中継を視聴していました。

感想としての結論・・・
結局、奴らは「カネ」のことしか頭にない。「社会からの信頼を得る」とか、「顧客に喜んでもらう喜び」とか、そういう考えは全く見受けられない。

あの年齢(←内河)になってまで、「カネ」がそんなに欲しいのか?

ならば、かっぱらいによって得た札束が敷き詰められた墓場でも作ってください。

おりおば」の各ネット書店の順位を観て回った。アゼンとした。「おりおば」のランキングの前後の書籍は、カネ、金、株、株、○億円稼ぐ・・・そんな書籍ばかり。

 「おりおば」の陳列状況を書店で確認した。こちらも同じだった。カネ、金、株、株、○億円稼ぐ方法・・・そんな書籍に「おりおば」が並べられていた。

今日現在の日本を象徴していると思った。しかし、その中で「おりおば」が、輝いているようにも思った。「おりおば」は、金儲けの方法を伝える本ではありません。

生活場面の様々なケースの中から、経済の仕組みを伝える本。

「経済の仕組みを学習すること」≠「カネの亡者になること」です。

しつこいようですが、「=」でも、「≒」でもなく、「≠」です。

我々は資本主義社会の中で、常に経済活動をしています。経済の仕組みを学んだ上で、それを「かっぱらい」に使うか、それを「搾取から自分の資産を守る」ために使うか、それを「社会に対する価値提供」の効率アップのために使うか、それは、個人の自由です。しかし、多くの人が経済の仕組みについての理解を得ることができれば、インチキ・ビジネスも、かっぱらいも、今よりは起こりにくくなるはずだと僕は信じています。

例えば・・・住宅を購入する際・・・住宅の最も重要なことが、その「構造」であることは、疑いの余地がないわけだから、購入予定者の多くが、住宅の広さや見た目、そして根拠の見えない「安さ」にとらわれず、「構造」と「資本コスト(=この場合ローンの金利)」に購入判断基準を置いていれば、「安くて広いのは、どこかオカシイ」と見抜くことが出来るはずです。

「構造をはしょった結果として安い住宅」などに、購入予定者が興味を示さなければ、このような物件は、そもそも売れないわけですから、自然と淘汰されるはずです。

自らの生活環境を豊かにするためには、国や法制度に頼ることではなく、自らがしっかり知識を得て、その知識にもとづいた判断をすることです。

つまり、「自分を守るのは、自身以外に無い」ということなのです。

知識はあなたを守り、あなたの活動を支えるために最も重要なのです。

カネは経済価値交換の「媒体」に過ぎないのです。

価値を生み出すのは、「カネ」ではなく「人」なのです。

2005年12月15日 板倉雄一郎

PS:
それにしても、総合経営研究所の内河所長だっけ?

あのオヤジに黒頭巾をかぶせたら、本当にダースベイダーの親分(確かシスってやつ)そっくりだと思うのは、僕だけ?

PS^2:
「悪者探しを続けていたら、不動産業界がダメになる」などと、暴言を放つ政治家もいるが、むしろ僕は「しっかり顧客のことを考え、住宅を作っている人たち」が、報われる結果になると思うのです。

この事件で、多くの住宅購入予定者が、「価格より構造」について真剣に考えるようになる・・・すると、これまで構造についてしっかり取り組んできた企業が成長する。そう思うのです。





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